カシオペアで行く北海道旅行
(2005.9.9〜9.13)

 
9.9
戸部−(京急線)−横浜−(京急線特急)−大門・浜松町−(京浜東北線)−東京−(特急はやて3号)−八戸−(特急白鳥3号)−竜飛海底−(ケーブルカー)−竜飛岬−(ケーブルカー)−竜飛海底−(特急白鳥11号)−函館−(ロープウェー)−函館山頂−(ロープウェー)−函館
9.10 函館−(特急スーパー北斗1号)−苫小牧−(室蘭線)−追分−(特急とかち3号)−新得そばの館狩勝峠=東鹿越=ハートヒルパーク富良野
9.11 富良野ファーム富田=新内=ナイタイ高原牧場上士幌鉄道記念館タウシュベツ川橋梁糠平温泉
9.12 糠平温泉紫竹ガーデン幸福駅鉄道公園帯広−(特急スーパーおおぞら10号)−札幌−(寝台特急カシオペア号)−
9.13 −(寝台特急カシオペア号)−上野−(京浜東北線)−関内戸部
  

往復鉄道での北海道旅行
今回は函館に寄ること、往復どちらかカシオペアを使うことから、航空機は使わず鉄道でお旅となった。この時期高めだがいつも使う「ぐるり北海道フリーきっぷ」を利用する。今回はカミさん同行のため、ちょっと体力的にきついかなぁとちょっと心配...。合間にカミさんも楽しめる観光地も入れないとなぁといろいろ考えたがさてどうなるか?出発は朝早い「はやて」で八戸まで向かう。東京駅で買った朝食を平らげると早速睡眠。。。乗車は3時間だが結構つらかったかも。先が思いやられる。
 
白鳥号乗車
八戸でわずか10分ののりつぎ、白鳥号に乗車する。いつも思うがここの乗り継ぎはあまりに時間がなさすぎてせわしい。。。買い物やトイレに行く暇もないくらいだ。せめて15〜20分くらい余裕があってもらいたいものだ。これに乗って竜飛海底駅へ向かう。吉岡は降りたことがあったが竜飛ははじめて。ここを訪れるとJR北海道管内の全駅に立ち寄ったことになる。本当に長かった。
 
竜飛海底駅下車
竜飛海底駅では2号車のドアしか開かない。1号車に乗っていた私たちは海底駅が近づくと2号車に移動。この号車に結構人がいるのを見るとどうやら見学者は我々だけではなさそうだ。そんなうちに海底駅到着。さっそく係員に誘導され、荷物を荷棚に預け海底駅を歩く。地上にでるケーブルまでのんびり歩いて15分くらいか。途中広大な避難所や、すでに廃れてしまった海底ミニ水族館などを見て歩く。当初は竜飛もトンネル内だけの見学であったらしいが、たしかにこの内容だけでは不評であっただろう。
 
日本一短い鉄道に乗車
しばらく歩くとほどなくケーブルカーの車両が見えてくる。ここが青函ケーブル竜飛斜坑線の体験坑道駅だ。ここからしばらくケーブルカーに乗って地上にある青函トンネル記念館へ向かう。このケーブルカーは日本一短い鉄道線として有名とのことだ。かなり急な坂道を警報音を鳴らしながらぐいぐい上っていく。かなり揺れるので苦手な人にとってはつらいかもしれない。カミさんもかなりびびっていたようだ。
 
竜飛崎、再び
地上の青函トンネル記念館からは自由行動。正味2時間以上時間がある。まずは周辺をのんびり散歩。そして食堂で岩のりラーメンを食べた後、竜飛崎へ向かう。この日は天気もよく風もあまり強くなかったので、散歩していてとても気持ちがよかった。階段国道も寄ろうと思ったが、つい最近行ったばかりで、また2人とも体力の余裕があまりなかったため。今回はパス。あっという間の2時間半だった。帰りは元来た道をもどり、後続の白鳥11号に乗車。函館へ向かう。
 
変わりゆく函館駅前
ようやく函館駅に到着。今夜の宿泊はおきまりの東横イン。朝市に近いほうである。ふと向かおうとすると、なんだか様子が前と違う。。。前回寄った朝市前のどんぶり市場がいつの間にか新築されているではないか?おまけに函館駅前もきれいに整備されすっかり昔の面影はなくなってしまった。。。きれいになってうれしい反面、昔なつかしい光景がどんどん見られなくなっていくので気持ちは複雑だ。チェックイン後、どうやらここにもあったホテル併設のQBハウスでうっとうしい髪の毛をばっさり切り、いよいよ函館山観光へ。
 
美しい夜景
市電に乗って十字街下車。10分近く歩くとほどなくロープウェーの山麓駅である。週末ともあって乗り場は大変な混雑である。これでは頂上もすごい人では、と不安がよぎる。満員のロープウェーに乗って7,8分で頂上到着。ここに来たのは久々だが、こちらの建物も新しくたてかわっているような気がした。さて建物屋上の展望台にのぼると眼下にはすばらしい夜景が!やっぱりここの夜景はすごくすてきだ。観光客も思ったほど多くなかったし、あまり寒くもなく、のんびり夜景を眺めることができた。
 
西波止場へ
函館山頂のレストランで食事というのもいいのだが、やはり他の観光客があふれているので、麓を歩きながらレストランを探そうということになった。ロープウェーを降りて西側を歩くと人通りがあまりない。道ばたにはライトアップされた教会が建ち並び、非常に美しかった。八幡坂をスキップしながら下り、西波止場へ向かう。ここには横浜赤れんが倉庫のように、倉庫を改造した店舗が立ち並んでいる。カミさんが行ったことあるという金森倉庫群の中のレストランに入店。地ビールを飲みながら食事を楽しむことができた。
 
函館朝市
夜は早めに休み、翌日は5時起床。もちろんお目当ては函館朝市だ。朝市をぐるりと周り、店舗をひやかした後、昨日新しくなっていて驚いたどんぶり横丁に立ち寄る。以前行ってお気に入りの恵比寿屋に入りいくら丼を注文。さすがネタが新鮮でうまい!朝早いにもかかわらず平らげてしまった。カミさんの注文した三色丼(かに、ほたて、しゃけフレーク)もかなりうまい!結局1/3くらいもらって食ってしまった。
 
特急−鈍行−特急のりつぎ
7時20分発のスーパー北斗に乗車。かなり早い出発で後ろ髪を引かれる思いだ。また車内でのんびり眠ったのち、苫小牧下車。ローカル線で追分に出、ここからまた特急に乗って新得へ向かう。僕はなれているがカミさんにはかなりきつい行程で申し訳なく思う。。。新得についたのは昼過ぎ。やはり北海道は広いなぁと実感。ここからレンタカーを借り、毎度おなじみ富良野へ向かう。車はオンボロのファミリア。なんだか運転しにくそうだ。
 
新得そばを食す
新得から10分ほど車を走らせると、そばの館という食堂がある。ここでは名物の新得そばを食べられる他、そばの手打ち教室なども行っているようだ。さっそく冷やし納豆そばを注文。お味はかなりあっさりしていてうまい!先日小布施で食った信州そばとはまた違った味であるが、あっさりとしていてなかなかうまかった。朝あれだけ食べたにもかかわらずあっさり完食。。。
 
狩勝峠にて
食事後、近くのお店でこんどはそばソフトを食べる。こちらは今まで食べたそばソフトの中では味が薄めでいまいちだったか。この先難所狩勝峠を越え、富良野へ急ぐことをする。途中狩勝峠の展望台からの眺めは最高!天気もよくすがすがしい気分になった。やっぱり北海道は最高だ。
 
思わず鹿に遭遇
狩勝峠を越え、幾寅から寄り道をし金山湖沿いに車を走らせる。昔石灰石の積み出しでにぎわい、今では閉山により閑散としている東鹿越に立ち寄る。すると野生の鹿が駅脇の廃屋周辺でえさを探しているではないか。。。こんな間近で野生の鹿を見るなんて、おまけにいくら閑散としているとはいえ駅前で見るというのは初めてだ。カミさんもものめずらしそうに眺めていた。旅にはこういう偶然がつきものでそれもまた楽しいものだ。
 
ハートヒルパークへ
東鹿越からしばらく車をはしらせ、ようやく富良野に到着。まずは思い出の地、ハートヒルパークへ。ここの公園でしばらくのんびりする。こちらは秋が早いせいか、吹く風もひんやりとして気持ちいい。しばらくこの涼風にあたりながら公園のベンチに寝そべり時間が経つのを忘れようと思った。
 
すっかり新観光地となった森の時計
今年も新富良野プリンスへ宿泊するため早めにチェックイン。早く来たのには理由があった。それは今年3月まで放映していたドラマ「優しい時間」の舞台であった喫茶店「森の時計」が本物の喫茶店としてオープンしたからである。今回の旅のメインがここといっても過言ではない。さらにうれしいのは、カウンター席ではドラマと同様、コーヒーミルで自ら豆を挽くことができることだ。店内で並ぶこと20分。なんとかカウンター席で自分の挽いたコーヒーを飲むことができた。後で聞くと休日は1時間以上待ちが当たり前ということである。
 
土瓶酒を飲す
夜飯は市街で食べることになっていたので、タクシーで富良野駅へ向かう。ここで富良野在住の友人Y君、そしてこの4月から札幌在住となり、わざわざここまで来てくれるという前職場の先輩Iさんと合流することになっていた。Y君が仕事の都合で遅れるとのこと。今回はくまげらへは行かず、以前1度だけ行き土瓶酒の味が忘れられない炉ばたへ向かう。ここで2時間ほどまったりと飲み明かし、Y君が来た後もいろいろ昔話や近況など語り合い大いに盛り上がった。
 
初スープカレー
実はこれだけ北海道に来ておきながら、まだスープカレーを食べたことが1度もなかった。それではということでY君おすすめ、富良野駅近くのカレー屋「わんだぁ」で初めてのスープカレーを食べることに。雑誌にもよく紹介されるという、納豆やオクラなど入ったその名もズバリ「ねばねばカレー」を食べることに。味は薄めだがなかなかうまい。飲んだ後には格別である。
 
ファーム富田で
結構飲んだため、翌朝はのんびりとスタート。Iさんを車に乗っけてドライブへ。まずはファーム富田へ。ラベンダーのシーズンはもう終わっていたが、秋の花、コスモスをはじめ、まださまざまな花が咲き誇っていた。しかしやはり夏ほどの勢いは感じられず、観光客もまばらであった。
 
なぜSLが?
昨日来た道をそのまま戻り、狩勝峠を越えたのち新内という集落に立ち寄る。ここは昔根室線の新内駅があったところだ。線路の付け替えで廃線になった後は実験線としてしばらく使われていた。また新内駅後には寝台車両を使ったSLホテルがあり人気を博していたが15年ほど前に廃業、そのまま放置されているようである。たしかに内装はかなりひどい状態になっていた。このまま撤去されるのもなんだかしのびないような気がする。
 
通行止で目的地変更
新内からは然別湖を経て糠平へ向かう予定だったが、先週の台風のせいで山田温泉から先の峠道が通行止めのようだ。仕方なくあきらめ目的地を変更する。眺望がすばらしいというナイタイ高原牧場へ向かうことに。地図にのっていない舗装道をしばらく走ると、山の中腹にレストハウスが。。。ここの展望台からの眺めは最高!放牧されている牛馬が点在していて、日本離れした感じの風景だった。
 
糠平は記念館に
ナイタイ高原を後にし、糠平へ向かう。ここは国鉄士幌線の中核駅でもあったが、廃止後はだいぶすたれたようだ。駅施設も貨車と一部の線路をのぞき撤去されている。しかしここには鉄道記念館が建てられていた。たしか10年ほど前1度立ち寄った記憶がある。ここでこれから向かうタウシュベツ川橋梁の地図と、熊よけの鈴を購入しいざ出発!
 
熊がでるぞぉ
糠平より車を走らせ、途中から険しいダート道を4kmほど走ると駐車場に着く。深い森の中だ。ここから400mほど熊の出そうな林道を歩かなくてはならない。さすがにカミさんはきつかったようだ。しかしこの林道を抜けると目の前に糠平湖がぱっと広がる風光明媚な場所に出るのだ。そこに重要文化遺産であるタウシュベツ川橋梁がそびえているのだ。この橋はもともと士幌線のものだったが、糠平ダム建設により線路が付け替えられ使わなくなった。撤去はしなかったため、灌水期には水面からひょっこり姿をあらわず神秘的な橋とのことだ。古代ヨーロッパの遺跡のようにも見える。こんな森の中でも観光客が結構いて驚きだ。これなら熊もいないはずだが。
 
秘湯でのんびり
この日は糠平温泉で早めにのんびりすることにしていた。Iさんは明日仕事のため路線バスで帯広に向かった。ホテルはかなり年期のはいったものであったが、温泉は近年改装したらしく、露天風呂も立派なものに改築されていた。団体客がいてちょっとさわがしかったが、それでも秘湯でのんびりできたのは間違いない。
 
花もおわりか。。。
翌朝、朝食後すぐに出発する。まずは帯広近郊にある紫竹ガーデン遊華に寄る。9月頃までさまざまな花で埋め尽くされているということだったが、さすがにシーズンはおわったのか、しおれた花が数多く見受けられがっくり。。。
 
幸福駅へ
その後、結婚したら絶対行こうと思っていた幸福駅鉄道公園へ向かい、大ブームとなった愛の国から幸福への記念切符を購入。まだあったというのはおどろいた。今でも結構観光客がくるらしく、行った当日もにぎわっていたようだ。周囲の雰囲気は10年前に行った時とあまりかわらないようであった。
 
念願のサクサクパイを
帯広駅でレンタカーを返し、列車の時間まで市街を散策する。以前来たとき食べることができなかった限定品、さくさくクリームパイを食べに六花亭本店へ向かう。お目当ての品をさっそく注文、店内のレストコーナーで試食。やっぱり期待通りのうまさ。ただ賞味期限が3時間のため持ち帰ることができず、ここだけでの楽しみであった。
 
いよいよカシオペア乗車
帯広から特急に乗車。札幌駅へ向かう。1時間ほど買い物などした後、いよいよカシオペア号乗車である。ようやく念願の寝台特急に乗車する機会に恵まれて幸せ。。。思ったより乗客はいないようだが、やはりスイートはとれなかっただけあり人気の部屋のようであった。
 
意外と狭い。。。
部屋はカシオペアツインの車端部であった。思ったより部屋は狭いというのが印象だった。各部屋にトイレ洗面所がついているのはいれしいが、座席のすぐ脇というのはちょっとね。でもまあ車端部ということもあり天井が高く、居住性はまあまあといった感じかも。
 
のんびりロビーカー
しばしくつろいだ後、車内の散策へ。最後部のロビーカーが思ったよりすいていて、ここでしばらくのんびり。窓がかなり大きく、2階部分のため従来のロビーカーよりかなり眺望がいいのが印象的であった。カミさんも気に入ったようでしばらくのんびりしていた。
 
食堂車にて
せっかくなので値段は張るが食堂車でフランス料理を食べようということになっていたので、第3回目の食事を予約、8時には食堂車へ向かう。どうやら予約した時点で座席は決まっていた模様。さすがの値段だけあって料理のお味は格別!デザートにも趣向が凝らされ、すばらしいものであった。これだけのお金を払っても十分価値があったかも。車窓が見えないのが残念無念。。。
 
翌朝も食堂車にて
寝台車で心地よい睡眠をとり(でも途中何回か目が覚めたが。。。)朝6時前には目がさめる。朝食もぜひ!ということでカミさんにつきあってもらい6時半から朝食を食べることに。これはかなりボリュームがある食事だったが。。。でも車窓を眺めながら食事ができ満足!
 
上野到着
16時間あまりの旅は長いようで結構短く感じた気がする。朝9時20分に上野駅到着。なんだかすごく名残惜しい。また時間があったらぜひ乗りたいなぁと思った。今度はぜひスイートに。。。飛行機の旅も早くて便利であるが、こういうのんびりとした旅もたまにはいいなぁと感じた。あとはなんと行ってもこんな旅についてきてくれたカミさんには感謝せねばいけないだろう。

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