病み上がり湯治紀行
(1998.9.3〜9.7)

9.3
久里浜−(横須賀線)−大船−(東海道線快速)−熱海−(東海道線)−浜松−(東海道線快速)−米原−(東海道・山陽線新快速)−加古川−(山陽線新快速)−姫路−(姫新線)−上月−(姫新線)−津山
9.4
津山−(姫新線)−中国勝山−(姫新線)−新見−(L特急やくも号)−米子−(境線)−境港−(境線)−米子−(山陰線)−松江−(バス)−松江温泉−(一畑電気鉄道)−電鉄出雲市・出雲市−(山陰線快速)−益田−(山陰線)−長門古市−(山陰線)−長門市−(山陰線)−幡生−(山陽線)−小野田
9.5
小野田−(山陽線)−厚狭−(美祢線)−長門湯本−(美祢・山陰線)−仙崎−(山陰・美祢線)−厚狭−(山陽線)−小郡−(山陽線)−徳山−(岩徳線)−岩国−(山陽線)−西広島・己斐−(広島電鉄)−紙屋町−(バス)−三段峡−(可部線)−加計−(可部線)−可部−(可部線)−横川−(山陽線)−新井口−(山陽線快速)−岡山−(瀬戸大橋線快速)−高松
9.6
高松築港−(高松琴平電鉄)−元山−(徒歩)−西前田−(高松琴平電鉄)−平木−(高松琴平電鉄)−長尾−(徒歩)−公文明−(高松琴平電鉄)−高松築港・高松−(高徳線)−引田−(高徳線)−徳島−(牟岐線)−日和佐−(L特急うずしお号)−牟岐−(牟岐線・阿佐海岸鉄道)−甲浦−(フェリー)−大阪南港−(ニュートラム)−コスモスクエア−(地下鉄)−弁天町−(大阪環状線)−芦原橋−(大阪環状線)−福島−(徒歩)−新福島−(東西線)−北新地
9.7
大阪−(寝台特急サンライズ出雲)−沼津−(御殿場線)−国府津−(東海道線)−大船−(横須賀線)−久里浜

 


◎青春18きっぷのあまり券を使って

友人から譲ってもらった18きっぷが4枚ほど余っていたので、それを利用し今まであまりな地味の無かった山陰地方をまわることにした。山陰地方にはJR未乗線がかなり残っていたのでこの機会につぶすことにした。病み上がりだったため、長距離・長時間を鈍行で移動するのはかなりきついと思ったが。


◎1日目はひたすら西上

バイトあけで旅行に出たため、久里浜出発が9:15と遅かった。よって今日は1日中移動で終わりそうだ。前回関西に行ったときと同じように、熱海までは快速アクティーを利用した。平日の午前に関わらず乗降客が多いが、それも熱海まで、私の隣に座っていた女性2人組も京都まで行くらしく、接続時間を調べるためか、ずっと時刻表とにらめっこしていた。他にも18きっぷ利用者で大阪以遠に行く人は結構いるらしかった。熱海では4両編成の列車が待っていたが、すぐに満席になる。やっとの事で席を確保したぐらいだ。この混雑は静岡まで続いたが、そのあとはガラガラ。浜松で後続の快速に乗り換え。この快速はクロスシートの117系なので、しばらくは楽できそう。米原からは新快速へ。さすが関西の俊足ランナー。早い早い。しかしなぜか定時刻より遅れている。本当は終点の姫路まで向かう予定だったが、姫路での接続が1時間近くある。それならということで先日食べた加古川名物カツライスを食べるため下車。やはりこの味、忘れられない!腹を膨らませたあと、姫路に向かった。姫路から上月乗り換えで津山へ。到着時間は23時すぎ。移動で終わった1日目であった。

カツメシ
加古川ではカツメシに再会


◎2日目も西上

2日目は早朝に出発した。津山にも寄りたい観光地はたくさんあったが今回はパス。始発電車が中国勝山止まりで次の電車まで余裕があったため、駅前を散歩することにした。駅前から湯原温泉や蒜山高原行のバスが出ているが、駅近くにめぼしい観光地はないようだ。強いていうなら駅から5分ほど歩いたところに「古い町並み保存地区」があったことくらいか。仕方なく近くを流れる川を眺め、時間をつぶした。中国勝山から新見に移動。そこから米子に抜けるのだが、各駅停車の接続がすこぶる悪い。しかたなくこの区間だけ特急料金を払い「やくも」を利用することにした。米子からは未乗線の境線を往復。終点の境港は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげるの出身地らしく、駅前には「鬼太郎」にでてくるキャラクターのモニュメントがたくさん設置されている。一見奇妙に思えるがなかなかおもしろい試みではないか。そういえば境線の気動車にも鬼太郎や目玉親父がペイントされていた。米子から松江に移動。そしてバスで松江温泉に移動。(今回は時間が無く温泉はパス)ここから出雲市までは宍道湖を挟んで並行する一畑電鉄に乗車した。列車は斬新なペイントが施された元京王5000系。馴染みの車両であり、思わずにやり。1時間ほど宍道湖のほとりをのんびり走行。川跡駅では古豪デ3形と顔合わせ。この列車も余命幾場も無いという。まもなく電鉄出雲市に到着。どうやら3年前に来たときと状況が一変している。いつの間にか駅が高架化され綺麗になっていた。さて、出雲市から益田までは快速に乗る。ここは長丁場になりそうだ。ただ車窓から眺める日本海の美しさに見とれ、時間が経つのも忘れてしまったが。終点の益田からはまたまた西行の各駅停車に。この列車は1両編成のようだ。時間が下校時刻にさしかかるのにこれで大丈夫かという不安があったが、その不安が的中。東萩から学生が大勢のりこみ、すし詰め状態に。その後途中駅からも乗客があり車内はパニック。この状態は長門市まで続いた。さて、本当は次の接続列車は長門市で接続だったが、時間があったのでその先、長門古市で途中下車。もう日が暮れているため、周囲の店も閉店しており、辺りは閑散としている。上り列車で長門市へ戻り、幡生から小野田へ移動。今日も到着はかなり遅い。はやめに眠りにつく。

中国勝山 境港駅前  一畑電鉄

左 中国勝山。商店街の奥が古い町並み 中 境港駅前にある「水木モニュメント」 右 一畑では元京王5000が

◎長門湯元温泉と三段峡

3日目、ここに来てこの旅初めて?の観光が予定されている日であった。小野田から隣駅厚狭に移動。ここから美祢線を利用し長門湯本に向かう。字のごとくここには温泉があるらしい。無人化された駅の周辺は閑散としていたが、そこから程なく歩くと温泉街が見えてきた。活気があるとは言えないものの、なかなかいい雰囲気の温泉である。自分としてもあまり開けていないひなびた温泉が好きであるので、まさにここは打ってつけの温泉である。いかにも伝統のありそうな「恩湯」という公衆浴場に立ち寄る。ここの温泉はすばらしい!浴槽が深めに作られており、ゆったりと入浴できる。おまけにお湯も温めで、熱い湯が苦手な人にとっては入浴しやすい。珍しく30分以上入浴し、付近をぶらついたあと列車に乗り込む。昨日立ち寄った長門市をすぎ、盲腸線である仙崎まで行くことにする。ここから青海島までは結構近い。行ってみたい観光地のひとつであったが青春18利用ということもあり時間がない。後ろ髪を引かれる思いで仙崎をあとにした。再び厚狭に戻り、今度は山陽線を東上。未乗線の岩徳線も経由し、西広島には3時近くに到着した。ここから三段峡に向かうのだが、下り列車の時間帯があわない。ここは広島バスセンターから出ている路線バスを利用して三段峡に向かうことにした。観光バス風の車が来ると思いきや、まったく普通の路線バス。これに2時間半近く乗るのはかなり疲れるのではとおもったが、そんな心配も沿線の美しい風景が忘れさせてくれた。可部をすぎると川沿いの道をひたすら走るのだが、ここの風景は最高。ちょうど横を可部線の線路が走っているので帰りの車窓も楽しみである。バスは三段峡の駅前が終点となっていた。次の列車まで時間があるので、三段峡の入口付近を散策。駅から2.5kmほど登ったところが三段峡のメインの所らしいが、そこまで行く時間はなかった。しかし入口付近の風景を見るだけでも自然の造形美を知ることが出来、満足できるのではと思った。三段峡からは可部線を利用。どうやらこの路線(三段峡−可部)は廃線の話が持ち上がっているという。このようなすばらしい車窓を望める沿線を走るのであるから、なんとか観光路線として残すことは出来ないのであろうか?行きと同様車窓を楽しみ、可部、横川と移動。横川では名物のたこ焼きを買い、岡山行きの快速に乗車してほう張る。(座りたかったので、新井口まで移動して乗る)また3時間ほどかけ岡山まで移動。岡山から高松までマリンライナーを利用。疲れのためか眠気が差し、瀬戸大橋を望む余裕もない。高松に着いたときにはすでに0時をまわっていた。だんだん到着が遅くなっていく今回の旅。

三段峡  可部線からの車窓

左 三段峡入口  右 可部線では美しい車窓に思わず目がいく。

  


◎琴電ロケハン+偶然発見!

午前中は7月と同様、長尾線の本山付近で琴電の撮影。前回と同じく今回も天気が悪い。どうもついていない。雨も降り出してきたので早めに切り上げ、高知の甲浦を目指して一路南下。予定では牟岐で1時間ほどの余裕があるのだが。あまりめぼしい観光地がありそうにもない。いろいろ時刻表を調べてみたのだが、バスで行ける観光地もなさそうだ。仕方なくホテルの欄を見ると、途中通る日和佐というところに温泉宿があるではないか。まさかここに温泉が?予定はなかったのだが思い切って日和佐で途中下車。駅から10分ほどのところにその宿はあった。よく見ると温泉のみの利用可とか。途中下車して良かった。しばらく温泉に浸かってのんびり。また、日和佐には四国巡礼で有名な薬王寺も近くにあり、ここにも立ち寄り参拝した。なかなか渋め好みの人には良い観光地だと思った。1時間を満喫したあと。1区間だけ特急料金を支払い、牟岐まで乗車。牟岐からさらに甲浦まで南下。これで四国のJR線は完乗である。さて、ここから徳島に戻り高速バスで大阪に向かっても良かったのだが、ちょうど20分後に甲浦を出発するフェリーがあったのでもしかしたらそれに乗れるのではと思い急いで港まで移動。しかし港まではかなりの距離があり、もう間に合わないのでは、と思っていると横を通った自動車から声がかかる。港まで乗っていかないかと。ありがたくその親切をうけ、港まで乗せていってもらった。なんとかギリギリで間に合ったようである。しかし、この乗り継ぎ、実際は駅からタクシーを使わない限り(もっとも駅前にタクシーは止まっていなかったが)無理であるので、あまりお勧めできない。今までの疲れからか、船内の5時間はほとんど寝っぱなし。あっという間に大阪南港に到着した。サンライズまで時間があるので、大阪環状線の未下車駅で降り、コンビニを探して買い物。大阪駅ホームでまだ食べていなかった遅い夕食を食べ、サンライズを待った。今回のサンライズは予算の関係で寝台は利用せず、指定席扱いの「ノビノビ座席」を利用。名前は座席でも寝っ転がれる構造になっており、なかなかのんびり出来るのでお勧めである。へたなB寝台より良いのではないか。これで横浜まで行きたいところだが、行きに御殿場線に乗る予定を中止したので、朝、沼津で下車。御殿場線の1番列車を利用し、国府津経由で帰宅。かなり列車は混んでいたが、そういえば今日はもう月曜日だったのだ。

千羽温泉  薬王寺

左 日和佐駅から徒歩10分の千羽温泉 右 薬王寺。四国巡礼で有名な寺。


*青春18きっぷを利用して遠くまで行こうと思うと、1日2日は移動で終わってしまうことが多い。その中でも接続が悪いところに観光を入れるなど工夫すると楽しめるのではないか。また並行してバスやフェリーなどを利用すると、旅に変化が付けられておもしろいと思うが。しかし、毎度言っていることではあるが、もっと余裕のある旅をしたい...。

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